舞台

Vの世界

幸福を望む、とある男によって作り上げられた
仮想世界構築プログラム補助自律型人工知能、
『V(ヴォルヴァ)』。
そのVが作り上げた仮想世界、それこそが
『Vの世界』であり、即ち『鹿児島県間昼市』である。
遍く住人は情報に過ぎず、その生も死も、全てはVの
繰り返すシュミレーションの一環に過ぎない。

鹿児島県間昼市

間昼市(まひる・し)とは、人口五十万人ほどの大きな
街である。歴史は古く、文献も多数残っている。
――と、なるようにVが作り上げた。実際はまだ出来て
100年ほどしか経っていない。それより過去の記録は
全て100年前に『そうなるよう』用意されたものである。
Vの認識としては一年ほど。
つまり、Vの一ヶ月=間昼市の8、9年である。
鹿児島市と姶良市の間に存在する。桜島を臨み、
灰は多いが風光明媚。
平均最高気温は31度(8月)、最低気温は3度(1月)。
なお、間昼市の外は『存在しない』。
例えば、「海外旅行へ行った」という記憶があったと
したら、それはVに作られた偽りの記憶である。
「引っ越してきた」などというのも同様で、ある日突然、
「引っ越してきた人間」として間昼市に降って湧いた
というのが事実である。

間昼市中央区

間昼市の中心。大小10ほどの町が集まる。
ショッピングモール『日陽街』を持ち、市役所も
存在する。だが、電車で三十分という距離もあってか、
学生は鹿児島市へ出ることが多い。
間昼市の特徴として道路整備が遅れており、よく
幹線道路が渋滞を起こす。
居住区というよりは歓楽街。
なお、豚の安くて美味しい店が多い。

間昼市桜北区

桜島を正面に見据えて、中央区から北側。
姶良市に近づくためか、段々人が少なくなってくる。
海沿いには漁港も存在する。

たまに観光客から「桜島へ行きたい」と言われるが、
桜島は鹿児島市なので船は出ていない。


間昼市南桜区

桜島を正面に見据えて、中央区から南側。
鹿児島市に近いため、電車の駅数も多く、
それに伴ってカプセルホテルやネットカフェなども
多数存在する。
タクシーも終電までなら駅前に停まっている。
海方面の幹線沿いはラブホテルも多い。

間昼市鎧山区

その名の通り山方面。
山間に城があり、市の指定した自然公園が
存在する。ハイキングコースという名の登山コースも
あるが、近所の住民からは「看板に偽りがあり過ぎる」
ともっぱらの評判である。